すまい給付金に続き、今回は「不動産取得税の軽減措置」についてです。
※過去記事:【戸建・給付金】住宅取得後に要申請!最大50万円の「すまい給付金」! - tago channel
この軽減措置のざっくりしたポイントは下記のとおりです。
- 2024(令和6)年3月31日までの引き渡し分までについて適用
- 取得後30日以内※に都道府県の税事務所へ要申告
(※東京都の場合。期限は各都道府県条例による)
- 軽減措置を利用すると、税金が全額免除される場合も!
時限措置であるとは言え、実際に我が家が申請したにあたり、東京都の取得後30日以内という制限は非常に厳しい日程でした。
取得後は引越や様々な手続きに追われる中ではありますが、つい漏れてしまわないよう、最優先で行うべき手続きとしてご紹介いたします。
軽減措置のインパクト
住宅取得後、非常に短期間で書類を揃えて申請を完了させないといけない不動産取得税の軽減措置はそもそもどれくらいの効果があるか、初めに計算していきます。
まずは不動産取得税の計算についてです。
※新築住宅の場合(東京都)
【原則】建物・土地:評価額×4%
【軽減措置】建物:(評価額-控除額※1)×3%
土地:評価額×1/2×3% - 控除額※2
※1. 令和以降の新築物件なら「1,200万円」、長期優良住宅は「1,300万円」が控除額
※2. 「45,000円」もしくは「土地1㎡当たりの価格×住宅の床面積の2倍(200㎡が上限)×1/2×3%」の多い方
なお評価額とは実際に売買した際の金額ではなく、固定資産税評価額と呼ばれる公的な価格のことで、売買金額に対して建物:5~6割程度、土地:7割程度といわれています。
簡単な計算用に評価額を建物:80㎡・1,500万円、土地:100㎡・2,000万円でシミュレーションします。
【原則】1,500万円 × 4% + 2,000万円 × 4% = 140万円
【軽減措置】建物:(1,500万円 - 1,200万円) × 3% = 9万円
土地:《控除額》(2,000万円 ÷ 100㎡) ×(80㎡×2)× 1/2 × 3% = 4.8万円 > 4.5万円
2,000万円 ×1/2 × 3% - 4.8万円 = 25.2万円
計算してみると分かる通り、通常の不動産取得税は140万円掛かるところ、軽減措置を使えば34.2万円と100万円以上安くなります。
実際にどの程度の不動産取得税になるかは下のマトリックスがご参考になるかと存じます。
※評価額はすべて売買金額の土地:7割、建物:6割で仮定します。
・マトリックス①:狭小3階建て住宅(土地:60㎡、建物:100㎡)の不動産取得税
狭小3階建て住宅の例
床面積が大きいため、土地の不動産取得税は”0”に
・マトリックス②:庭付き2階建て住宅(土地:120㎡、建物:100㎡)の不動産取得税
⇒実はマトリックス①と同様!
ほかにもいくつかシミュレーションしましたが、極端に土地が安い or 建物が狭い場合を除いて、不動産取得税は免除される結果となりました。
東京都の場合、取得後30日以内に全ての手続きを完了させないといけませんが、不動産取得税の軽減措置を申請すれば、100万円以上の税金を節約可能です!
本当にやらなきゃ損です!
軽減措置に必要な申請書類
申請までの納期が非常に短い軽減措置を受けるには、事前の準備が欠かせません。
東京都の建売住宅を例にすると、申請に必要な書類は下記のとおりです。
- 不動産取得税申告書(都道府県主税局よりダウンロードが可能)
- 売買契約書のコピー
- 住宅取得に掛かった各種領収書のコピー
- 建物の登記事項証明書のコピー(全部事項証明書)
詳しくはこちら ⇒ https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/hurosinmi.pdf
なお注文住宅を購入される方は「土地購入時」、「建物完成時」それぞれで申請することが必要となる場合があります。
特に登記事項証明書は時間が掛かるうえ、住宅ローン控除申請時にも必要となるため、早めに取得することが望ましいです。
登記事項証明書は法務局の「登記ねっと」にてオンラインで申請可能で、窓口よりも安く、また郵送にて1週間程度で受け取ることが可能です。
なかなか主税局まで出向けない方は「登記ねっと」がおすすめです。
ただし、「登記ねっと」の利用時間は午前8時30分から午後9時まで(平日のみ)とオンラインにあるまじき制限がありますので、ご注意ください。
処理時間の問題だと思いますが、オンラインシステムですら働き方改革か…という第一印象でした。
www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp
最後に
住宅取得時は住環境を整えたりで非常にドタバタする中、確定申告時にすれば良い住宅ローン控除と違って、不動産取得税の軽減措置は売買成立後すぐに期限がやってきます。
売買成立からしばらく経ってから入居されることも多いため、「入居してから」では軽減措置の期限に間に合わない可能性があります。
特に東京都はその期限が30日です。(「軽減したくない」としか思えません…)
我が家は10月中旬に売買成立→10月末に入居だったため、入居までの間に失念していたこともあって、危うく期限切れになるところでした…。
※期限を過ぎても軽減措置を受けられる可能性がありますが、期限内に越したことはありません。
是非早め早めの準備で、払わずに済む税金を払わなくていいようにしましょう!
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いつも応援ありがとうございます。
クリック頂けると、ブログを続けていく励みになります。
持ち家購入~生活を始めるまでに掛かった費用
- 持ち家購入~生活を始めるまでに掛かった費用まとめ(減らすポイントも!)
- 持ち家購入時に想定外だった気を付けたい費用と軽減措置
- 諸費用の大きな割合を占める仲介手数料を減らすポイント
- おまかせパックで新居の生活スタートをスムーズに!
- フロアコーティングで床を綺麗に保とう!
- 狭小3階建て住宅でのエアコン設置費用
- テレビ視聴に不可欠!テレビアンテナ設置費用
- 建売住宅は対応必須!カーテン費用
手続き・給付金・税金関連
- 持ち家購入~確定申告に必要な書類を一度にまとめて取得
- 固定資産税・都市計画税をPayPayでお得に支払おう!
- 住宅取得後に要申請!最大50万円給付の「すまい給付金」
- 「不動産取得税の軽減措置」は住宅取得後30日以内の対応が必須!
住宅ローン・火災保険
持ち家購入による資産形成